地方産業の特色
民俗工芸品
澎湖列島の伝統民俗手工芸品には、石敢当、サンゴ手工芸品、アラゴナイト手工芸品、竹編み、草履、牛車、木彫刻、紙糊、獅子菓子、鶏母狗、鍛冶、玄武岩石彫刻、二崁蚊取り線香等があります。[*] 石敢当中華圏には、昔から「石を配置して魔除け」の風習があり、中国でも普通に存在し、台湾本島にもあります。しかし澎湖地区のように石敢当を密集して設置するのは、余りありません。これは、澎湖移民の色彩が濃厚で、これに加え立地環境が特殊で、島民に不測の事故があるため、特に鬼神を祟り、災厄を避け、事故を未然に防ぐため島上に「石敢当」が普通に設置され、よって石敢当は澎湖の重要な空間ランドスケープ及び民俗工芸品の一つとなっています。
サンゴ手工芸品
サンゴ工芸は、澎湖で非常に重要な産業であり、住民が1921年からサンゴの採集を開始し、光復後も県奨励の下、更にサンゴ産業を振興させてきました。サンゴの彫刻は、澎湖地区の大きな特色の一つとなり、その彫刻方法と構想は、直接その後現れるアラゴナイト、貝殻加工業にも影響を及ぼしましたが、1981年以降サンゴ産業が徐々に没落し、職人たちも相次いで転職していきました。アラゴナイト手工芸品
澎湖のアラゴナイトは世間に知られ、一般業者は「世界でも現在イタリアと澎湖の地でのみアラゴナイトが生産され、澎湖で生産されているものはイタリアより優れている」と誇っています。アラゴナイトの加工過程はサンゴと同様で、アラゴナイトの職人も大半がサンゴの加工業者です。澎湖特有のアラゴナイトに伝統的な職人の素晴らしい技が加わることで、アラゴナイト、篆刻が澎湖の重要な手工芸品の一つとなっています。竹編み
澎湖の竹編みきっかけは、閩南からの移民が竹材の使用を得意としてきた生活習慣でした。古くから竹で家具を編むことは、現地の農業に従事する生活において極めて普通の現象の一つでしたが、時代の変遷に伴い、伝統的な竹編み技がに代わって機器製品が登場し、これに加え澎湖では竹が生産されず、竹編み職人の高齢化のため、徐々に伝承を失っていきました。鶏母狗
鶏母狗は、澎湖の住民が冬至或いは各町内の重要な祭りの時に捏ねる米食で、供え物として用いられました。この米食彫刻芸術はシンプルで、デザインも現在の捏麺人(小麦粉を練ったものに色をつけて、竹串の先に人形や動物を作るという伝統工芸)のように派手で、目立つことはありませんが、そのシンプルなオリジナルスタイルを保つことで、澎湖の住民の素直な性格を手工芸で完全に具現化しました。
鍛冶
昔の鍛冶工業は伝統的な農業をリードしてきました。澎湖の住民が使用してきた農具は一般的に、台湾本島に比べやや狭く、且つとがっているため硬い土質に合っていました。近年農漁業が低迷し、大型の鉄工所から量産されてきたため、手作業の鍛冶では競争できなくなりました。現存する鍛冶屋は大半が農具の改修、魚具のアンカーの補修が主となっています。玄武岩石の彫刻
澎湖の住民は、昔地元の材料である玄武岩で生活器具を彫刻し、これには石磨、石臼、家禽家畜の飼い葉桶等があります。近年になると伝統的な石彫刻から新しい特色に発展させ、観光文化及び地方特色のある澎湖ヘチマ、ハタ、カボチャ等スタイルを組み合わせた石彫刻が観光客に評判となっています。二崁蚊取り線香
二崁協進会理事長である陳栄一氏が研究開発してきた蚊駆除製品は、二崁蚊取り線香と呼ばれています。原料は澎湖の三宝と言われる澎湖産の天人菊、フヨウ及びヨモギからなります。エコ・環境保全に配慮するという理念のもと、茎葉のみを摘み取り、原場所には根を残し、花が開くと摘まないようにしています。日光で乾燥させた後粉末にして、線香として製造します。点火すると蚊を駆除できるため、極めて独創性があり、環境の保全及び復古調の製品となります。線香台はカオリンを昔の澎湖サンパン模型として捏ねた後色を付けます。線香及びサンパンは簡単な訓練で自宅でも製造できるため、現在、文化創造産業の特徴ある澎湖文化製品となっています。草履
澎湖ではサイザルアサ、パンゴラグラスが盛んに産出され、草履を編む最も適した原料で、住民も草紐で製作することに慣れています。草履は単に実用的な目的のために生まれた郷土工芸品で、昔、澎湖の家庭主婦が必ず身につけていないければならない技芸の一つでしたが、現在機器製品が登場した後、草履編み工芸も没落してしまいました。牛車
澎湖は辺境の地にあり、且つ物資に欠乏し、台湾本島で牛車の製造を止めた後でも、澎湖ではまだ大量に木輻車輪の牛車が走っていました。現在牛車の製作はすでに赤字となり、これに加えて近年の機械化された輸送手段の導入に伴い、この業種も更に低迷となり、大部分の職人は転職しています。木彫刻
澎湖地区は、自然環境の影響を受けて、木材が生産されず、更に客観的経済条件も台湾本島に及ばないため、時間や経費のかかる木彫刻工芸は、現地では発達しませんでした。わずかな細工師或いは余暇のある技術者だけが従事していました。古い寺社の木彫刻細工を見ると、澎湖地区の昔の細工師の技は非常に高い水準及び特色を持っていたことが伺えます。
紙糊
澎湖の住民は毎年、年末各寺社における平安祭、疫神送及び数年に一度の王船祭の時に、紙糊業にビジネスチャンスを与えています。近年、多くのの布施主の好みの変化や多彩性を要求してきたため、徐々に伝統的で一定の測量寸法で具現化されてきた美学的な基礎が失われてきましたが、やはり素朴的な美さを守っています。獅子菓子
澎湖の住民が獅子菓子を作ることは極めて普通なことで、一般的な中国式菓子屋でも作ることができます。ただ獅子菓子は寺社内で使用されるため、通常現物を展示棚に展示されることがありませんので、必ず予約があってから作られます。獅子菓子の金型は、一般の仏壇店で彫刻できます。金型間の接合は正確でなければなりません、且ついまではビジネスの機会も非常に少なくなり、一般的な仏壇店でも受注しようとしません。民俗と小吃(シャオチー)の特産
澎湖の土質、気候及び島の特殊な条件に近年の観光発展の影響を加えて、味わい深い飲食文化を創出し、伝統と現代を兼ね備え、種類によって以下に分類します。海鮮類
瓜の漬物とピラルクーの煮炒め、瓜の漬物とクロサギ料理、フグの皮、生牡蠣、生スルメイカ、刺身、スガイ冷菜、ハタ蒸し、ハマフエフキ蒸し、フクトコブシ人参髭蒸し、アサヒガニ蒸し、カニ、酢ヤリイカ、灰貝、ユビワエビス、スナガニ、スナエビ、ウニ、カニ雑炊、タコ、イイダコ、干しピラルクー焼き、ヨコシマサワラ焼き、ホシヒラベラ揚げ、イカ揚げ、キャベツの塩漬けとシロクラベラ料理、海苔魚団子スープ、テングサ卵スープ。もち米・麺類
甘もち団子、ごま揚げ団子、もち入り野菜マン、餡入り赤餅、もち、カボチャ米粉、海苔春雨、魚素麺。豆類、精進料理類
ヘチマ炒め、殻付き落花生、赤い実の落花生、味付け落花生、塩味パイ(肉餡、野菜餡)、冬瓜菓子(ペースト)、落花生菓子、バターピーナツ、黒い砂糖菓子、西嶼サツマイモ菓子、ピーナツバターパイ、海苔ピーナツ等。ソース類
各種塩漬瓶詰めの魚類、貝類、岩海苔の佃煮、ホタテソース等。植物類としてサボテンジャム等があります。